日々の暮らしと時々の数学

くだらないチラ裏スペース。時々数学のことを書く。

▼画面だけでは胡麻塩ぐあいが分からない

会議資料の電子化が進められる中でも、どうしても慣れない部分があります。

資料を読むには一覧性が高い方が良いのは当然です。

 

資料を作るときにも感じることがあります。

自分の作った資料を印刷して机に並べてみると、

キチキチに文字が詰まっているのか空いているのか、

言いたいことと雰囲気があっているのか、

なんとなくの塩梅が見えにくくなってしまいます。

 

牟田郁子『文にあたる』(亜紀書房)の中で、

光野桃『着ること、生きること』(講談社)の引用があります:

長い文章の時は原稿用紙を床に並べて、かなと漢字の

胡麻塩ぐあいをよく見るようにと教えられた。

漢字ばかりで黒々としていたら読みにくいのは当然だけれど、

ひらがなばかりの白っぽい締まりのない画面も読む気がしない、

ましてカタカナが多いのは尖って取りつくしまのない、冷たい印象になるものよ。

 

時代について行けていないということでしょうが、

この胡麻塩ぐあいが見づらいことに、どうも慣れません。

気付き「飛行機の謎」

■不思議に思ったこと

①飛行機の中の通販
 って買っている人見たことある?あれ誰が買うの?売上ある?

②飛行機のモニターの画質
 ってやたら悪くない?今日日こんなクオリティなの不思議すぎんか?
 microSDでもあれくらいの内容量なら簡単に入るだろうよ。
 それでもって、ノイズ多すぎん?電波でデータのやりとりでもしているのか?

③機内で表示される現在地の地名表示のチョイス
 絶妙すぎん?隠岐島とか宗像とか、そこまで必要なさそうな情報じゃない?
 ピックアップする基準どうなってるの?

 

■気づいたこと

①飛行機の中のUSB充電
 type-Aもtype-Cも行ける。コンセントはさすがに何だろうけど。
 パソコンは充電するのは不可か。

たわごと「傘はすごい/"かたづ(ず)かない"」

■ 傘はすごい

傘を打つ雨の音は、360度、多数の点から鳴っている。
あまり耳のそばでこのような音の聞こえ方をすることはないのではないか。
音源がとってもたくさんあるよね。

 

■ "かたづ(ず)かない"のウィット

あるチラシで「基ずく」という表記を見た。
さすがにこれは「基づく」だろうと思ってググったら、文化庁でちゃんと仮名づかいの議論がされていた。

この議論の中で、例として「かたづく」なのか「かたずく」なのか、ということが取り上げられていた。
ひと固まりと見るのか、「かた」+「つく」と見るのか、というような観点などがあるらしいが詳しいことは置いておこう。
ともあれ、この議論の中でしれっと「かたづかない」と発言しているあたりに大学教授のウィットを感じた。

(前略)「ぢ・づ」については原則があり,2語連合の場合も原則はあるのであるが,その適用で問題が起る。たとえば,「もとづく」を2語連合とする側からは「もとづく」であるが,今はもう2語の意識がなく1語だとする側からは「もとずく」である。原則は一応あるが適用上で問題となる。原則を決めてもなおかつかたづかない。(後略)

 

今日のメモ(2021.12.15)

たわごと「お金の計算は入出金をセットにするという金融リテラシー」

こんな記事があった。
複利を理解していない日本人 大竹文雄の経済脳を鍛える 日本経済研究センター

【問題】 100万円を預貯金口座に預け入れました。金利は年率2%だとします。また、この口座には誰もこれ以上お金を預け入れないとします。5年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか。つぎの中から正しいものを選んで下さい。

 1. 110万円より多い
 2. ちょうど110万円
 3. 110万円より少ない
 4. わからない

要は、
金融商品は多様化している。その一方で金融の教育は明治より減っている。
複利が理解できない日本人の比率は国際的に見ても高いので、
金融知識に関する教育をもっとするべき。
ということを言いたいらしい。


この意見には大賛成であるが、
まず単利・複利の前に、お金の計算は「収入と支出」が
必ずセットで考えられるべきという大前提があるだろう。


だから、問題文の
>この口座には誰もこれ以上お金を預け入れないとします。
では極めて不十分だと感じる。


金利以外の入出金がない、というような
支出に関する記述がなければ問題として成り立たない。


金融リテラシーを問う問題において、
最も基礎的といっていいような金融の前提が抜け落ちている
記述は納得出来ない。

TeX「enumerate環境の位置調整」

TeXにおけるenumerate環境(及びitemize環境)での位置調整には
環境内で
\setlength{\parskip}{0pt} % 段落の間隔
\setlength{\itemsep}{0pt} % 項目の間隔
\setlength{\leftskip}{0pt} %左からの頭の位置
を記述すれば良い。

例えば、enumerate環境で、位相の公理を記述するとき
\item[$(O_1):$]などとして項目の名前を指定すると
この名前が長くなればなるほど、
どんどん左にはみ出していってしまう。

これを防ぐには、
\setlength{\leftskip}{8mm}
などとして、左からの空白の長さを指定することで解決できる。


なお、このような調整の値が常に決まっている場合、
enumerate環境自体の設定をプリアンブルで
指定しておく方法は分かっていない。

対症療法としては
\newcommand{\enuchousei}{
\setlength{\parskip}{0pt}
\setlength{\itemsep}{0pt}
\setlength{\leftskip}{0pt}
}
などとコマンドを作成することで、
決まった値の調整を常に入れることができる。

メビウスの反転公式と3つの応用

過去の記事
br-h2gk.hatenablog.com
に、この定理のクラシカルな証明はメビウスの反転公式をつかう、
と書いてあった。

実を言うとメビウスの反転公式を用いた経験がないため、
これを見て調べるまで、内容と証明を知らなかった。

しかし、調べてみると非常に美しい定理だということが分かった。
またこれを認めれば上記の命題の証明はもっとシンプルに
解決することが明らかなので、それを目標に、反転公式から紹介する。

まず反転公式を紹介しよう。

◆定理(メビウスの反転公式)◆
関数f(n),g(n)は数論的関数(自然数上の複素数値関数)であるとする。
もし、\displaystyle g(n)=\sum_{d|n}f(d)が成立するならば、
\displaystyle f(n)=\sum_{d|n}\mu \left( \frac{n}{d}\right) g(d)
が成立する。
ただし、\mu (n)メビウス関数である。

要は、分かりにくい数論的関数f(n)があった時、
約数で和をとると分かりやすい関数g(n)になったとする。

すると、g(n)メビウス関数を用いて逆にf(n)が表示できる、
と主張している。
知ってみると凄い!逆転サヨナラホームラン的な定理だ。

定義から確認していこう。

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