有限体上の既約多項式の数
いろいろあって有限体を見ていたら、
Wikipediaの既約多項式のページを見ていたら、
その有限体上の既約多項式の数についての項目があった。
それは
というものである。
これの証明が、arXiv:1001.0409にある。
(Sunil K. Chebolu, Jan Minac,Counting irreducible polynomials
over finite fields using the inclusion-exclusion principle)
今回はこの証明を紹介する。
使う議論は有限体に関する基本的な知識のみで、
この証明について著者は
「驚くべきことに、今回の記事のシンプルな議論はいくらかの
専門家は知っているかもしれないが、教科書には載っていない」
と書いている。
確かにシンプルな議論だった。
続きを読むどくしょ記録「紙の月」角田光代著
今日は角田光代著「紙の月」を読み終えた。
読み返したいけど読み返したくないなあ。
★★★★☆
2べきの数と3べきの数は隣接するか?
過去の記事で、自然対数log(2)を計算した。
br-h2gk.hatenablog.com
そのときの2つめの方法について、キーポイントとなっていたのは、
2と3と5のみを素因数にもつ連続する2数の組を考えることだった。
もし、これがもっともっと大きい数で見つかるなら、
よりよい近似の分数を見つけることができる。
そこで、まず最も簡単と思われる場合の
◆問題◆
の自然数解を見つけよ。
を考えてみよう。
注意として、隣接する2数は互いに素だから、
2と3両方を素因数にもつもの同士などは隣接しない。
まず、単純にというものが見つかるが、
2のべきと3のべきを並べていくと、これらが隣接する場合は
見当たらない。
そこで、これ以外に解はないのか、ということを考えよう。
続きを読むln(2)の下5桁を手計算しよう(その2)
前回の命題を用いると
◆評価4◆
で
誤差は未満
が得られる。
まず、自分の中での「手計算できる」の基準をはっきりしておく。
基本的に積は3桁同士まで、商も割る数は極力3桁以内。
ただし、152000のように、本質的に計算量がそれらと変わらないものは除く。
そこで、3次以上の細かい計算を上手に評価し、
計算を省略する。
次の評価を試みる。
◆評価5◆
ゆえに
が言える。
これからが分かる。
つまり、誤差項を見るに、1.と2.が正確に計算できたなら
少なくとも以内に収めることができる。
この評価での誤差は、
1.は、
2.は
である。
1.のうまい評価が出来なかったので、合わせて未満、となった。
それぞれ見て行こう。