ln(2)の下5桁を手計算しよう(その2)
前回の命題を用いると
◆評価4◆
で
誤差は未満
が得られる。
まず、自分の中での「手計算できる」の基準をはっきりしておく。
基本的に積は3桁同士まで、商も割る数は極力3桁以内。
ただし、152000のように、本質的に計算量がそれらと変わらないものは除く。
そこで、3次以上の細かい計算を上手に評価し、
計算を省略する。
次の評価を試みる。
◆評価5◆
ゆえに
が言える。
これからが分かる。
つまり、誤差項を見るに、1.と2.が正確に計算できたなら
少なくとも以内に収めることができる。
この評価での誤差は、
1.は、
2.は
である。
1.のうまい評価が出来なかったので、合わせて未満、となった。
それぞれ見て行こう。
<評価5-1>
まず、
が簡単に見てとれるから、これらの誤差を評価しよう。
まず下から。
ここで、だから、
が従う。よって
が言えた。
次に上から。
なので、
いつもの原理でとして
が従う。よって、
が言えた。
<評価5-2>
まず、
が簡単に見てとれるから、これらの誤差を評価しよう。
まず下から。
(相加相乗)
ここで、だから、
が従う。
よって
が言えた。
次に上から。
とできて、
が得られた。
<評価5-3>
まず、
が簡単にわかる。
これ以外の項は極めてこの項より小さいので、
比を評価する。
なので、これはの4倍より大きい。
なので、これは60倍より大きい。
したがって、
が分かった。
以上の話から
が分かるが、
分数の項を計算していくことで、
が得られる。
これにより、が決定する。
最初の誤差の考察から、正確にやると誤差が未満までは
分かっているので、うまくいけばこの項までで下6桁目を決定出来る可能性があるが、
実際に電卓で計算すると、0.693146と0.693147をまたいでしまい、
残念ながら、決定できない。
したがって、手計算のレベルでは十分に評価出来たと思いたい。
なお、解析概論に書いてあったが、2以降の素数の自然対数を決めるには、
が素数の時、もも未満の素数のみで
素因数分解できるから、
として考えると収束が速くていいぞ、と書いてあった。
なるほど。
そして、今回のやり方ではも全く同様に、というか
比だけ変えてしまえば計算できてしまうので、
これらの和をとれば(最初からとっても良いが)、が計算できる。
これは自然対数と常用対数の変換率なので、とても大切な値である。
ここらへんも気になればもう少し整理するかもしれない。